小江戸日記

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映画『健さん』

今年1本目の、川越スカラ座の映画は『健さん』

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2014年に亡くなった俳優・高倉健。この映画『健さん』は、映画界で彼と共に仕事をした人物や、行きつけの飲食店オーナー、そして親族など、”健さん”を知る人たちのインタビューを通して、高倉健という映画スターの人物像を描き出したものです。

任侠映画シリーズの健さんが何度も出てくるのですが、これぞ「映画スター」という美しさ。若かりし高倉健の、鋭い目としなやかで無駄のない動き。抑えていながらも迫力のある声。大きいスクリーンで観るべき人だと改めて思うのでした。

本当に、どの映画においても誰を演じていても、高倉健という人は常に高倉健なのですね。寡黙で不器用、自分の役割を心得ていて、任務に全力で取り組むハードワーカー。日本人の美徳のすべてを体現した人でした。もし、健さんの演じた役を他の俳優が演じたとしたら?どこか嘘くさく、もしくは滑稽で陳腐なものになってしまう危険性があるのでは?戦争映画でも任侠映画でもラブストーリーでも、健さん無しにはあり得ない映画たち。「高倉健」というジャンルが日本映画には存在しているのです。

『ブラックレイン』で共演したマイケル・ダグラスや映画監督のジョン・ウーマーティン・スコセッシなど海外の映画人からも納得のコメントが寄せられています。

中でもジョン・ウー監督が健さんを評するのに「エレガンス」という言葉を使っていて、「まさに!」と私は膝を打つ思い。アウトローを演じることの多かった高倉健でしたが、その所作にはエレガンスがあり、周囲の人や自然と調和していました。

大げさでない演技、かすかなしぐさや目線で内面の動きを表現する繊細さ。沈黙すらも効果的な表現の方法とする健さんの演技も彼らは称えていて、「そうそう!」とまたまた膝を叩く思い。余計なことをしない言わない、過不足のない表現というのも日本人の美意識の表れのように感じられて、やっぱり高倉健は誰よりも日本人なんだなぁと思ったのでした。

日本人が最も共感し、最も憧れた映画俳優・高倉健。けれども、タフで優雅なその佇まいは、日本を超えてもっと普遍的な価値を持っているのでしょう。

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このお正月の川越スカラ座はすごい。日本映画っていいですね!

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