小江戸日記

小江戸川越の情報や話題、日々のつれづれを綴っていきます。

"知恵伊豆"松平信綱と"小江戸"

江戸時代の面影を残す町並みが魅力の川越。「小江戸」と呼ばれる所以です。

そんな川越の街の礎を築いたのが、川越藩主・松平信綱。徳川家3代将軍家光とその次の家綱に仕え、江戸幕府に重用された人物です。

川越藩主としての松平信綱は、新河岸川の舟運を整備し、江戸との交易を盛んにすることによって商人の街・川越に繁栄をもたらしました。

また、川越天下祭りの様式を今に伝える川越まつりも信綱にその起源を求めることができます。川越まつりのひな型である川越氷川神社の「神幸祭」は、慶安元年(1648)に、当時の川越藩主であった松平信綱氷川神社に神輿・獅子頭・太鼓等を寄進し、祭礼を奨励したことに始まります。この祭礼が後に、華麗な行列による町々の巡行をともない、さらには新河岸川の舟運によって運ばれてくる江戸の風物をとれ入れつつ「川越まつり」として完成していったのです。

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川越まつりの時曳かれる町々の山車の頂にはそれぞれ川越ゆかりの人物が乗っているのですが、川越市旭町3丁目の山車の頂には信綱が鎮座しています。右上がアップの画像。

小江戸」川越の基盤を築いた信綱は、とても才気溢れるだったと当時から評判だったそうです。知恵のある信綱は、最初の官職である伊豆守(いずのもり)と合わせて「知恵伊豆(ちえいず)」と呼ばれていたとか。

ちなみに、NHKEテレで放映されている番組「知恵泉」(火曜夜10時から10時45分)のタイトルは、この信綱の呼称にひっかけたものだそう。「いず」の漢字を「伊豆」→「泉」にしてあって、ビジネスの苦境を乗り越えるヒントを知恵の泉たる先人から学ぼうというこの番組の趣旨にふさわしい、うまいタイトルですよね(リンクを張るためにさきほど番組ホームページを見たら、8月23日の回は「日本資本主義の父」こと渋沢栄一特集。渋沢栄一は晩年を川越で過ごした人。この回のテーマは「地域活性化の知恵を学ぶ」というもの!面白そうです)。

知恵伊豆と呼ばれた信綱をはじめとする有能な治世者と、柔軟でたくましい川越商人の活力が、現在の川越の礎となっています。今日、道路の整備などのハード面から「きものの日制定」や「小江戸ハーフマラソン」などのソフト面まで、旅行者をもてなすアイディアを次々と実行し、伝統を守るという核を保ちつつも新しいものを積極的に採り入れていく街の姿勢を見るにつけ、江戸時代にこの街に生きた先人の知恵は今も息づいているのを感じます。小江戸川越は、色々な人が知恵を出し合って作り上げてきた街なのです。

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