三井記念美術館特別展『小村雪岱スタイル-江戸の粋から東京モダンへ』
ようやく4月に入って行くことが叶いました。
日本橋の三井記念美術館特別展『小村雪岱スタイル-江戸の粋から東京モダンへ』。
(今日は川越の話題はちょっとです。)
以前日本橋で作品を見る機会があってから、すっかりファンとなってしまった小村雪岱。生誕130年を記念した展覧会が川越美術館であったのは、このブログでもお伝えしました。2020年は雪岱の没後80年だったそうで、昨年から今年にかけて展覧会『小村雪岱スタイル-江戸の粋から東京モダンへ』が各地を巡回しています。現在は、三井記念美術館で開催中。泉鏡花「日本橋」の本の装幀で世に出た雪岱ですから、日本橋での展覧会は盛り上がるだろうなあ、と思ってやってきました。
しかも日曜日に行ったので混むのは覚悟していたのですが、やはり少し混んでいました(入場は日時指定予約制となっているので人数は制限しているのでしょうけど)。最近は雑誌『和楽』や『SIGHT ART VOL.4(2020年秋号)』が特集組んでいたり、テレビでも本展覧会を取り上げていたりで、ちょっとしたブームなのでしょうか。
雪岱が「昭和の晴信」と呼ばれたことから、本展覧会では江戸時代中期の浮世絵師・鈴木晴信の作品も何点か展示されていて、こちらも楽しめました。
似ていると言えば似ていますね、人物の表情とかポーズとか。
晴信のファンにもなりそう。優美さは晴信が勝っていますが、雪岱の方がモダンでおしゃれですね(当然か)。
新聞連載小説や雑誌の挿絵も豊富に展示してありました。大成功を収めた邦枝完二の「おせん」をはじめ、白黒で描かれる挿絵は、現代の漫画(特に劇画)にも通じるなあ、と思いながら見てました。結構人がいて作品の説明書きがよく読めなかったのが残念(結局、最後にミュージアムショップで図録を購入、この解説をじっくり読めばよし)。
それから、雪岱が手掛けた演劇舞台装置の原画も展示されていました。
ここでは全然紹介し切れませんでしたが、雪岱の多岐にわたる仕事が整理されてバランスよく並べられ、見終わった後満足感がありました。江戸情趣と東京モダンが雪岱において洗練された形で融合していて、やっぱりいいなぁと思いましたね。これは雪岱ブーム、来るんじゃないかな?
【展覧会情報】
三井記念美術館(三井本館7F)
開催期間:2021年2月6日~4月18日
開館時間:11:00~16:00(入館は15:30まで)
料金:一般 1,300円、大学・高校生 800円
割引券(ここから印刷可)利用で100円引き
三井記念美術館での開催はあと少しで終わってしまいます。美術館も重厚でさすがに歴史ある雰囲気でした。
この後も数か所巡回するようなので、お近くで開催の際にはコロナ感染対策をしっかりして見に行かれるといいですよ。
巡回スケジュール:https://www.museum.or.jp/jyunkai/101203
■川越市立美術館情報
最後に我が、川越市立美術館の情報も少し。感染防止対策を講じ、3月23日(火曜)から開館しているとのことです。現在は、常設展のみが鑑賞可能なようです。
昨年は、コロナの影響で特別展が全て中止となってしまい残念でした。でも昨年開催できなった「花村えい子と漫画」展が、今年の8月に開催されるようです!
川越出身のマンガ家で昨年末に他界された花村えい子さんの画業をまとめたこの展覧会には期待大。これは絶対見に行きます。
【予告!!画業60年のかわいい伝説 花村えい子と漫画展開催】
会期:2021年8月7日(土曜)~9月12日(日曜)
場所:川越市立美術館
料金:一般 600円(480円)、大学・高校生 300円(240円)カッコ内は団体料金
料金もお手頃ですね、ありがたい。ここの特別展はいつも内容充実でセンスもいいので、穴場なんですよ。しかも「川越きものの日」である毎月8、18、28日に着物で来館すると団体料金になるというのだから、嬉しい限り。