小江戸日記

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乙女デザイン ー大正イマジュリィの世界ー 川越市立美術館

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川越市立美術館では現在、特別展として「乙女デザイン ー大正イマジュリィの世界ー」が開催中。

大正時代の広告デザインやイラストレーションが紹介されています。この時代、複製技術が発達し、大衆の目を引く商業的な印刷物が数多く制作されました。今回の展示では、女子の心を捉えるような「乙女デザイン」ばかりが集められています。

 小林かいち 《二号街の女》1925(大正14)~1926(大正15)年頃

お馴染み竹久夢二や、アール・デコ様式の杉浦非水や小林かいちアール・ヌーヴォー様式の橋口五葉などの作品が並びます。

 竹久 夢二 『少女の友 4月号』第20巻第4号 1927(昭和2)年

テイストは違えどどれも綺麗でかわいい。ウキウキさせたり、楽しくさせたり、ウットリさせたり。デザインも洗練されていて見ていて心地良い。でも商業デザインの優れたものって、大衆の欲望に寄り添いつつも、革新的なものを含んでいたり、まだ輪郭をなしていない未来を予感させるような要素がありますね。広告が時代を作る上で大きな大きな役割を果たしてきたことが見て取れます。

展示のなかでとりわけ目立っていたのは、デパート三越の発行していたPR冊子『三越』。いくつか展示されていたけれど、どれもひときわお洒落なデザインです。デパートがあの時代の消費をリードしていたことがわかります。舶来物、都会の豊かな暮らし、美しい婦人。「ね、素敵でしょ?こういう暮らし」と問いかけてくるような、甘やかな香りが漂ってきそうな広告。

 

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竹久夢二「涼しき装ひ」『三越』15巻第6号挿画 大正14(1925)年 個人蔵
竹久夢二「涼しき装ひ」『三越』15巻第6号挿画 大正14(1925)年 個人蔵

たとえば竹久夢二大正14年の作品《涼しき装ひ》。『三越』15巻第6号の挿画です。洋装の女性3人が夏の昼下がりに集いフルーツやアルコールを楽しんでいます。この時代の憧れのライフスタイルなのでしょう(というか今見ても素敵に感じますよね)。洒落た服をまとい流行りの髪型をした女性は自由で気ままな雰囲気。当時は洋装が一般に普及し始めた頃で、この広告の少し後、大正20年代から昭和にかけてはモガ(モダンガール)と呼ばれるファッションが流行しました。洋装とともにあるモダンで豊かな、西洋的な暮らし。素敵な広告のイメージに乙女らは憧れ、着物から洋服へと取り換えていったということもあったでしょうね。すてきな乙女デザインの印刷物を見てそんなことを思いました。

◆乙女デザイン ー大正イマジュリィの世界ー 川越市立美術館

開館時間: 午前9時から午後5時(入場は午後4時30分まで)

休館日: 月曜日

観覧料: 一般 500円(400円)、大学生・高校生 250円(200円)、 中学生以下 無料
          ( )内は20名以上の団体料金

着物で来ると団体料金♪、県民の日は無料!

 

そうそう、ここ川越の大正浪漫夢通り竹久夢二の作品をイメージとしているのです。

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特に、この通りにある「シマノコーヒー大正館」は、大正イマジュリィの世界って感じですよ。

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このお店は本格自家焙煎のコーヒーが最高に美味しいのです。

晩秋の休日は、こんな雰囲気でゆったり乙女気分に浸りたいものです。