小江戸日記

小江戸川越の情報や話題、日々のつれづれを綴っていきます。

小江戸で俳句

 

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8月19日は俳句の日。先日立ち寄った本屋にはコーナーが設けられていました。

俳句、ちょっと流行ってるんですかね?テレビでも芸能人の方が俳句を作って添削されるコーナーが人気のようで、中には唸るような見事な俳句を作る方もいますね。特にお笑いの人って、言葉に対するセンスがとても鋭いと思います。

仲間と街や景勝地に出掛けていき、俳句を作ることを吟行といいますが、ここ川越でも時々、「吟行に来たのかな」と思われる小集団を見かけることがあります。蔵造りの街並み、時の鐘、喜多院などの名刹・・・、小江戸はちょっと俳句心を刺激される街なのです。

過去には、高浜虚子水原秋桜子尾崎紅葉など名のある俳人文人も川越を訪れて句を詠んでいます。

 鵯一羽鳴けば五六羽こたへたる 高浜虚子喜多院にて)

 永く居て薄き秋日にあたたまる 中村草田男喜多院にて)

 倉廃れかたへの宮の春祭 水原秋桜子

 芋買ひに行きし夜もあり冬の月 尾崎紅葉

ちなみに最初に挙げた虚子の句の”鵯”、「卑しい鳥」と書いて”ヒヨドリ”と読みます。俳句を作り始めると、鳥や花などの名前を覚えるようになりますね。

 

正岡子規も明治二十二年に川越に宿を取り、句を残しています。

 砧うつ隣に寒き旅寝かな 

こちらは句碑も残っていますよ。

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川越市大手町5、時の鐘や映画館「川越スカラ座」の割とすぐ近くです。

俳句は、5・7・5と言葉を並べるだけだし、季語をいれなければならないなどの少しのルールはあるけれど、簡単に始められるとっつきやすい趣味ですよね。

そんな軽い気持ちで私も作りはじめたのですが・・・。まあ、難しいこと。ぜんっぜん才能無し!って自分にダメ出しすることもしばしば。

でも結構長く作り続けているのは、やっぱり俳句作りは楽しいから。季節ごとの出会いを言葉にする。自然の事象に目を凝らし耳を澄まして街を歩く。句を仲間に披露してあれこれ言いあう。そういったことが日々の生活を彩ってくれるのです。

他の人が作った俳句を読んでいて「いいな」と思う句って、具体的・個人的な経験・事象をこれしかないという言葉で表現しているもの。一回切りしかないその人だけの体験でありながら、誰の胸にも響くものがあるというところが面白いなと思います。逆に多くの人に受けようとしたと思われる句は、ステレオタイプなつまらないものになりがち。私もよく失敗します。

ともかくも、秋は街歩き・吟行にいい季節です。川越を歩き句など吟じてみるのもなかなかおつなもの。