小江戸日記

小江戸川越の情報や話題、日々のつれづれを綴っていきます。

小村雪岱展始まる

待望の小村雪岱展が川越市立美術館で始まりました(1月20日~3月11日まで)。2017年12月に開館15周年を迎えた川越市立美術館がその記念として、やはり昨年生誕130年という節目を迎えた川越生まれの画家・小村雪岱(1887-1940)を特集しています。

f:id:mkoedo:20180120195825j:plain

昨年雪岱の絵をギャラリーで見て以来、ますます雪岱に興味が湧いて今回の特別展を楽しみにしていたので初日に行って来ました。

雪岱は、東京美術学校(現・東京藝術大学)で日本画の基礎を学び、大正から昭和の戦前期にかけて本の装釘や舞台装置・映画美術など多分野で活躍しました。

彼が世に出るきっかけとなったのが泉鏡花の小説「日本橋」の本の装釘。

http://img.yaplog.jp/img/00/pc/a/l/e/alei/0/39.jpg

蔵が立ち並ぶ日本橋の河岸に乱舞する蝶。美しい物語の始まりを告げるドラマのオープニングのようなシーンです。

今回雪岱の手による、鏡花作品や他の作者による本の装釘が何点も展示されていましたが、いずれもうっとりするような美しさ。所有することが嬉しくなるような"モノ"としての本の魅力を感じさせてくれます。

雪岱は、鏡花に見出されたのち、舞台芸術や映画の世界の仕事にも取組みました。その他関東大震災前の一時期には資生堂意匠部にも籍を置き、資生堂書体や香水瓶のデザインに関わっていました。

多岐にわたる雪岱の仕事の中でも、とりわけその名を世に知らしめたのは邦枝完二の小説「おせん」の挿絵です。昭和8年9月から12月にかけて朝日新聞に連載された「おせん」は江戸時代に実在した美女・おせんを描いたもの。新聞発行部数を伸ばすほどの大変な人気を博したそうです。その挿絵の展示は今回の雪岱展のハイライトと言ってもいいかもしれません。浮世絵調で描かれたおせんはなんとも魅力的。雪岱の描くおせんは大体いつも同じ表情でそっけないようだけれど、艶がある。構図の大胆さも相まって見る者の心を一瞬でグッとつかんでしまうのです。

f:id:mkoedo:20180120193742p:plain

雪岱の作品は、斬新でありながらさりげなく、大衆的でありながらどこか風雅で、決して品位を失わない。この絶妙のバランス。日本画に始まる長い修練で培われた美意識のなせる技なのでしょうか。日本画伝統と現代に通じるデザインセンスが雪岱調の土台を成しているように思います。

江戸情緒を感じさせながらも、すごくモダンな印象なのも特徴的です。小江戸と呼ばれる川越に生まれ、15歳の頃から寄宿していたのは江戸花街の面影を残す日本橋檜物町でした。一方、一時期所属していた資生堂のある銀座は、当時から西欧風の街並みに最先端のモノが集まる場所。こういった土地の空気もその画風に影響を与えたのかもしれません。

懐かしさと新しさ、江戸と東京が混ざり合う雪岱独特の美の世界、堪能しました。おすすめです。

 

生誕130年 小村雪岱 ― 「雪岱調」のできるまで ―

会期:2018年1月20日〜3月11日(2/14~一部展示替え)
会場:川越市立美術館
住所:埼玉県川越市郭町2丁目30-1
電話番号:049-228-8080
開館時間:9:00〜17:00
料金:一般 600円 / 大高生 300円 / 中学生以下無料
休館日:月曜日(ただし2月12日は開館)、2月13日(火曜)

 

◆舟運亭むかし館

年中雪岱の作品を見ることができる川越の場所をひとつご紹介。川越市立美術館から徒歩20分ほど、喜多院成田山川越別院の近くに位置するこの老舗製麺屋さんでは、店舗内に川越関連の歴史資料が展示されています。その中に小村雪岱の絵もあります。

 

f:id:mkoedo:20180120195225j:plain

小さなコーナーではありますが、店を訪れる人は誰でも見ることができます。

f:id:mkoedo:20180120195439j:plain

ちなみに店内で販売されているサツマイモを練りこんだうどん麺は、お土産におすすめです。

【店舗情報】

住所:川越市西小仙波1-7-3

TEL:049-222-1311

定休日:水曜日

開店時間:(平日)10時から18時、(土日祝日)10時から17時

 

 

 

 

広告を非表示にする