今日の桜(3月16日) 喜多院&中院
随分日が延びてきて、春が近づいてくるのを感じますね。桜の季節はもうすぐそこ。ここ川越にもたくさんの桜の名所があります。そろそろ花咲く兆しが見られるかもと喜多院と中院の桜の様子を見てきました。
◆喜多院
んー、やっぱりまだですね。
今日はぐずついたお天気のせいか人出もあまりなく、ただ鳩が多くいるばかり。手水舎にまで数羽の鳩が来てのんびりと水を呑んでいました。こういう喜多院の風景も結構好き。
ただ、枝垂れ桜はピンクが結構色濃く点々と見える枝もありました。もしかすると開花もそろそろ??去年の喜多院は3月第4週くらいが絶頂期だったけれど、今年はどうかな。
◆中院
さて、こちらは中院。こちらの桜も毎年見事。でも予想通り、まだまだのようですね、桜は。
それでも、こちらの庭はいつ訪れても気持ちいい。よく手入れされていて素敵な場所です。下の写真は沈丁花の香る小路。スパイシーさの中に独特の甘さもあって、地味な姿かたちながらいい仕事をしてくれる花です。沈丁花の季節もそろそろ終わりかな?
そう、冬はもう終わったのです。これから次々と花が咲くのですね。
◆小江戸川越春まつり2019
というわけで、毎年恒例、小江戸の春を祝う小江戸川越春まつりが今年も開催されます。
初日3月30日はオープニングイベントとして、マーチングや梯子乗りや大道芸や、それから和太鼓演奏、鉄砲隊演武、春のお茶席などなどが行われる予定。
この日は、川越一番街が主催する「江戸の日」でもあり、さらには「醸ん楽座」一角では「春のイースト発酵大感謝祭」も行われます。川越の春はこの3月30日に一気に満開を迎えると、いうくらいの賑わいになるでしょう。
乙女デザイン ー大正イマジュリィの世界ー 川越市立美術館
川越市立美術館では現在、特別展として「乙女デザイン ー大正イマジュリィの世界ー」が開催中。
大正時代の広告デザインやイラストレーションが紹介されています。この時代、複製技術が発達し、大衆の目を引く商業的な印刷物が数多く制作されました。今回の展示では、女子の心を捉えるような「乙女デザイン」ばかりが集められています。
お馴染み竹久夢二や、アール・デコ様式の杉浦非水や小林かいち、アール・ヌーヴォー様式の橋口五葉などの作品が並びます。
テイストは違えどどれも綺麗でかわいい。ウキウキさせたり、楽しくさせたり、ウットリさせたり。デザインも洗練されていて見ていて心地良い。でも商業デザインの優れたものって、大衆の欲望に寄り添いつつも、革新的なものを含んでいたり、まだ輪郭をなしていない未来を予感させるような要素がありますね。広告が時代を作る上で大きな大きな役割を果たしてきたことが見て取れます。
展示のなかでとりわけ目立っていたのは、デパート三越の発行していたPR冊子『三越』。いくつか展示されていたけれど、どれもひときわお洒落なデザインです。デパートがあの時代の消費をリードしていたことがわかります。舶来物、都会の豊かな暮らし、美しい婦人。「ね、素敵でしょ?こういう暮らし」と問いかけてくるような、甘やかな香りが漂ってきそうな広告。
たとえば竹久夢二の大正14年の作品《涼しき装ひ》。『三越』15巻第6号の挿画です。洋装の女性3人が夏の昼下がりに集いフルーツやアルコールを楽しんでいます。この時代の憧れのライフスタイルなのでしょう(というか今見ても素敵に感じますよね)。洒落た服をまとい流行りの髪型をした女性は自由で気ままな雰囲気。当時は洋装が一般に普及し始めた頃で、この広告の少し後、大正20年代から昭和にかけてはモガ(モダンガール)と呼ばれるファッションが流行しました。洋装とともにあるモダンで豊かな、西洋的な暮らし。素敵な広告のイメージに乙女らは憧れ、着物から洋服へと取り換えていったということもあったでしょうね。すてきな乙女デザインの印刷物を見てそんなことを思いました。
◆乙女デザイン ー大正イマジュリィの世界ー 川越市立美術館
開館時間: 午前9時から午後5時(入場は午後4時30分まで)
休館日: 月曜日
観覧料: 一般 500円(400円)、大学生・高校生 250円(200円)、 中学生以下 無料
( )内は20名以上の団体料金
- 身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳・療育手帳をご持参の方、及びその介護者1名は無料
- 着物で来館された方は団体料金
- 11月14日(県民の日)は無料観覧日
着物で来ると団体料金♪、県民の日は無料!
そうそう、ここ川越の大正浪漫夢通りは竹久夢二の作品をイメージとしているのです。
特に、この通りにある「シマノコーヒー大正館」は、大正イマジュリィの世界って感じですよ。
このお店は本格自家焙煎のコーヒーが最高に美味しいのです。
晩秋の休日は、こんな雰囲気でゆったり乙女気分に浸りたいものです。
川越とサツマイモ
川越と言えば、サツマイモ。今が季節ですね。「栗よりうまい十三里」と洒落て呼ばれたサツマイモは、栗よりリーズナブルで、手軽に楽しめる秋の味覚です。
現在、川越市立博物館では『川越とサツマイモ』展が開催中。救荒作物として江戸時代に普及したサツマイモ。そのサツマイモと川越との関り、そしてその作付けと普及に尽力した人などが今回紹介されています。さらには、川越サツマイモスイーツの資料の展示もあり。
川越芋の主たる品種は「さつまいもの女王」とも謳われる紅赤。ちょうど120年前にさいたま市の主婦によって発見されました。その後も今日に至るまで、川越のサツマイモスイーツは人気を博しています。
§『川越とサツマイモ』展
会 期:10月13日(土)~11月25日(日)
休館日:10/15(月)、10/26(金)、10/29(月)
11/5(月)、11/12(月)、11/19(月)
会 場:川越市立博物館 特別展示室
費 用:入館料(一般200円 高校・大学生100円 中学生以下無料)
この入館料で、特別展示(『川越とサツマイモ』)だけでなく、常設展示も見ることが可能。この常設展示がかなりの充実ぶりで、川越の歴史や文化をパネルや模型などを使って立体的に展示してあり、理解しやすく面白いのです。こちらも併せてご覧くださいね。
◆川越いも焼酎「富の紅赤」
サツマイモは料理に使っても、スイーツの原料としても美味しいのですが、今回是非ともご紹介したいのがいも焼酎「富の紅赤」。川越地区を代表する銘柄”紅赤”を100%使用しており、限定生産のためなかなか手に入りにくいのですが、ほのかな甘みが上品な味わいで女性にも人気があるのです。
川越芋の生産地である入間郡三芳町の上富地区。ここで、平地林の落ち葉を掃き集め堆肥とする伝統的な循環型農法により育てられた”紅赤”がこちらの焼酎には使われているのです。
この循環農法に関しては映画『武蔵野』に詳しく記録されています。農法も色々あるんですね。景観にも影響を与えることもあるし、農作物とその栽培法は土地を知る上で面白いテーマです。
川越スカラ座でも上映する(11月24日土曜日~12月7日金曜日)ので、ご興味のある方は是非。
「富の紅赤」、ともかくも美味しい焼酎です。
それから11月18日(日)には「小江戸川越お芋festival!」というイベントも開催されます。
この小江戸川越お芋festival!中には料理教室もある!
・「おうちパン*サツマイモのドデカパン」
仕込むのはタッパー、焼くのはトースター。こねない、汚れない、という手軽なパン造り。
材料は、サツマイモ、国産強力粉、塩、ドライイースト、牛乳、水
時間帯は以下。
①10時〜11時
②11時30分〜12時30分
③13時30分〜14時30分
【場所】ウニクス川越にぎわい広場
【参加費】2300円(事前予約2100円)
もうひとつ!
・「美腸を作る・川越いもの食べ方講座」
味覚をととのえる「食べくらべ」、からだをととのえる『「美腸さつま芋料理」(デモと実習)を通して、川越・秋の食を楽しみます。』
【内容】
・さつま芋食べくらべ
・さつま芋でキレイに。食べ方疑問あれこれ解決
・腸をととのえる芋料理ご紹介
(①ルー不使用・さつま芋の酒粕クリームシチュー②甘くないもちもちパンケーキ)
【時間】11時~14時
【定員 】10名
【参加費 】3500円(食材費、レシピ、講師料込)
【持ち物 】エプロン、手拭き、筆記用具
【申込み】 お名前、当時連絡のとれる連絡先を明記してmsktktm@yahoo.co.jpまでメールをお送りください。こちらからの返信を持って受付完了です。
【キャンセルについて】開催日3日~2日前 参加費の半額 前日及び当日 参加費の全額をキャンセル料としてご負担いただきますのでご了承ください。(ゆるベジインストラクター ほうま)
詳細はフェイスブック参照
どちらの料理教室も美味しそうでヘルシー。しかも手軽で実用的なのがいいですね。
他にも川越でお芋関連の菓子や食品を扱うお店が多数出展します。まさに芋尽くし!
「小江戸川越お芋festival !!」
2018年11月18日(日)ウニクス川越にぎわい広場
10:00~15:00 小雨決行・荒天中止
主催:小江戸川越お芋festival !!実行委員会
後援:ウニクス川越
協力:川越Farmer’s Market
川越まつり2018情報 10月20日(土)・21日(日)
市役所。
川越商工会議所。
すでに蔵街や大正浪漫夢通りなどには紅白の幕がかかり、まつりの準備が着々と整いつつあります。
今年のまつりみどころとスケジュールは以下のとおり。
10月20日土曜日
氷川の神様が乗られた神輿が川越市内を巡行するために川越氷川神社を出発します。
◆14:00~15:00頃 市役所前 山車揃い
市役所前に各町の山車が勢揃いして、お囃子を披露。高さ8メートルほどもある山車が続々と市役所に集まってくる光景は圧巻です。
◆18:00~19:00頃 宵山の山車揃い
日が落ちると、川越まつりは夜の部へ。本川越駅から札の辻交差点、一番街通りを中心に山車が揃い、お囃子の演奏を披露したり、しばらくの間鑑賞のために飾り置かれます。山車には提灯が灯り、昼間とは別の雰囲気を楽しめます。
◆19:00~21:00頃 曳っかわせ
山車と山車が出会うと、曳っかわせがはじまります。囃子を競い合い、曳き方は提灯を高々と上げ盛り上げます。これぞ祭のクライマックス。
山車ごとの詳しい展示位置はこちら。
◆18:20頃~ 鳶のはしご乗り 埼玉りそな銀行前(蔵造りの街並み)
鳶職人がはしごに昇って技を繰り広げます。見ているだけでドキドキ。
10月21日日曜日
◆13:30~15:00頃 市役所前の山車巡行
市役所前を山車が巡行。絢爛たる山車の揃いぶみです。
◆18:30~21:00頃 曳っかわせ
まつり最終日、曳っかわせで川越まつりは最高潮を迎えます。
■川越まつり行きJR臨時電車も運行
川越まつり開催当日は、JR東日本より臨時列車が発車いたします。便利な直通列車で川越まつりへどうぞ。
※JR東日本の各窓口にてお買い求めいただけます。
フランス・オータンを往く―川越の姉妹都市
フランス、パリの南東300kmに位置するオータン。ローマ帝国初代皇帝アウグストゥスの命により築かれ、実に2000年にも及ぶ歴史を持つこの街は、かつて「ローマの妹」とも呼ばれ栄えました。
このオータンの街、2002年より川越の姉妹都市となっているのです。他の自治体でも似たり寄ったりだと推察しますが、姉妹都市と言われても大部分の市民にとっては普段全くと言っていいほど関りがありません。ですが、私はオータンがブルゴーニュ地方に属することを少し前に知って、以前から計画していたブルゴーニュを巡る旅の目的地のひとつに加えてみたのでした。というわけで、今回はフランス・オータンをご紹介します!
パリ・リヨン駅からTGVに乗りおよそ1時間半でブルゴーニュの首都・ディジョンへ。ここから列車でシャニーへ行き、シャニーでオータン行きのバスに乗り換え。ディジョンからは乗り継ぎ時間も含めると2時間くらいでオータン駅に到着です。
◆サン・ラザール大聖堂
オータンの代表的な観光スポットは、まずはサン・ラザール大聖堂とロラン美術館です。
この二つはすぐそばに位置するのでセットで観光。駅から30分弱くらい歩くでしょうか、坂もあるので少しばかり息の切れる道のりです。まずはサン・ラザールへ。
12世紀(尖塔は15世紀)に建立された大聖堂。
ここはタンパンと呼ばれる正面入口上部の半円部分の浮き彫りがとりわけ有名。貴重なロマネスクの作品だそうです。
「最後の審判」の中央に位置するのは、審判者として再臨したキリスト。
キリストの左側は天国、右側は地獄を表しています。足元にいる人々も左は天国行き、右は地獄行き。地獄行きの人々の絶望感、なかなかわかりやすく伝わってきますよね。
◆ロラン美術館
サンラザール大聖堂のすぐ手前にはロラン美術館があります。この建物はブルゴーニュ公の宰相となったオータン出身のニコラ・ロラン氏の15世紀の邸宅だったものです。ロランはボーヌにある貧者のための病院(オテル・デュー オスピス・ド・ボーヌ"Hotel-Dieu Hospices de Beaune")を建てた人でもあります。
ネットなどで前もって調べた情報によるとこの美術館の目玉は、12世紀の彫刻「イヴの誘惑」というもののよう。事前調査ではなかなか興味をそそられた作品でした。それでは中へ。
まずはこのあたりの土地で出土した器や、ローマ時代のモザイクなどの展示を鑑賞。
順路を回っていると中庭に出ました。
中庭には、枯れたアジサイと共にあの川越でもお馴染みの・・・・
そう、顔出し看板がありました。
さて、結構美術館に入ってからだいぶ見て回り、移動しているのに「イヴの誘惑」にはたどり着かない。そろそろお目にかかりたい!と、近くにいた美術館のスタッフらしき人に「どこにありますか」と聞いてみます。すると、その溌溂とした若い女性は笑顔で「こっちよ」と案内してくれました。この人について行けば安心という感じのしっかりとした足取りと、なんといってもその自然で明るい笑顔で、この美術館への印象はぐーんとアップ。
そしてイヴの誘惑とやっとご対面。
このレリーフはさきほど訪れたサンラザール大聖堂タンパンの下にアダムと対になって飾られていたそうです。1766年の改築の際、アダムとともに廃棄され(教会の入り口にはちょっとなまめかしすぎるのがダメだったみたい)、のちにイヴだけが発見されたとのこと。
それにしてもこの表情としぐさがいいですね~。ちょっとからかうように囁きかけるイヴ。彼女は左手に掴んだ禁断の実をアダムに食べさせようと誘惑しているのです。誘惑されているアダムの表情を見てみたくなりますね。戸惑いを浮かべているのか、それともちょっと怒ったような表情なのか・・。
角度を変えるとちょっと印象が変わりますね。
このロラン美術館は、個性的で地方色のある素敵な美術館でした。
◆アロー門
街の外側には古代ローマの遺跡が点在しています。写真は早朝、ホテルの朝食前に散歩がてら行って撮ったアロー門。町の北側の門・アロー門とヤヌス神殿はすぐ近くなので合わせて訪れてみました。
反対側から撮ったもの。
すぐ側にはアロー川が流れ、この日は朝もやがすごかった。
◆ヤヌス神殿
アロー門から徒歩15分くらいでヤヌス神殿へ。朝もやのなかを歩きます。犬の散歩をする人やジョギングをする人とすれ違います。
見えてきました。
到着。清涼な朝の空気の中、なんとも言えない気持ちに襲われます。本当に遠くまで来たなぁという。時代も超えちゃったなぁという。
AD1世紀頃に建てられたものだそうです。
すぐそばのパネルには現代の技術を使って描かれた復元想像図が描かれていました。
◆パッサージュ、ローマ劇場、サン・タンドレ門・・・
その他の街の見どころも簡単にご紹介。
街の中心はシャン・ド・マルス広場。ここには市庁舎があり、時折マルシェが開かれているようです。すぐそばにはパッサージュがありました。
オータンの旅行案内パンフレットによると、ここは19世紀半ばに造られ、ネオルネッサンス様式と当時のガラスをそのまま残しているとのことです。ほんのわずかな距離ですがなかなか風格あるパッサージュ。
街の東側にはローマ劇場跡もありました。結構大きいんですよ。直径148メートルとか。が、なにやら工事中で写真は撮らず・・。観光地って工事中のところ多いですよね・・・。
ローマ劇場の隣にはヴァロン湖が。歴史的モニュメントや美術品しかチェックしていなかったけれど、どうやらこの街は豊かな自然にも恵まれているようです。山や水上のアクティビティも色々あるのかもしれません。
街の東側にあるサン・タンドレ門。アロー門と同じような造りです。
オータン、落ち着いていて人も街も自然体。居心地のいい場所でした。来てよかったな。旅の最初に訪れたため、体力が充実していてがんがん動けたということもあるけれど、自然が豊かで歴史的建築物も多く、古い町ならではの雰囲気に浸れたのが得難い経験でした。
◆オータンと合わせて訪問、ブルゴーニュの街、そしてリヨン
今回の旅ではオータンに1泊し、ボーヌ、ディジョンとブルゴーニュの街を巡った後、ディジョンから列車TGVで1時間半に位置するリヨンにも滞在。ボーヌでは、オータン出身のニコラ・ロランが建てたオテル・デュー オスピス・ド・ボーヌも訪問しました。
もちろん、ブルゴーニュのワインも美味しかった!食事もやはり素晴らしくて、いいところだなあ、ブルゴーニュ。
リヨンも美食の街として知られています。でも私がリヨンで一番行きたかったのは、リヨン織物装飾芸術博物館。
絹織物でも有名な街だけあって、とても充実した展示内容でした。19世紀後半には日本からリヨンに生糸を輸出したり、日本の職人が機織り機をリヨンから持ち帰って生産したりと、日本とリヨンには絹を巡る交流の歴史があるのです。ファッションや絹織物に興味のある人にはお勧めの博物館ですよ。
さて、この旅を終えてみて、ヨーロッパの小さな街を探索する面白さに開眼した気がしましたね。オータンは、川越の姉妹都市でなかったら、その名前さえ知る機会はなかったかもしれないし、行くことなどまずなかっただろうと思います。ひょんなことがきっかけになりますね。
それにしても、姉妹都市ってもうちょっと交流があってもいいんじゃないかと思ったな。
小江戸で俳句
8月19日は俳句の日。先日立ち寄った本屋にはコーナーが設けられていました。
俳句、ちょっと流行ってるんですかね?テレビでも芸能人の方が俳句を作って添削されるコーナーが人気のようで、中には唸るような見事な俳句を作る方もいますね。特にお笑いの人って、言葉に対するセンスがとても鋭いと思います。
仲間と街や景勝地に出掛けていき、俳句を作ることを吟行といいますが、ここ川越でも時々、「吟行に来たのかな」と思われる小集団を見かけることがあります。蔵造りの街並み、時の鐘、喜多院などの名刹・・・、小江戸はちょっと俳句心を刺激される街なのです。
過去には、高浜虚子や水原秋桜子・尾崎紅葉など名のある俳人・文人も川越を訪れて句を詠んでいます。
倉廃れかたへの宮の春祭 水原秋桜子
芋買ひに行きし夜もあり冬の月 尾崎紅葉
ちなみに最初に挙げた虚子の句の”鵯”、「卑しい鳥」と書いて”ヒヨドリ”と読みます。俳句を作り始めると、鳥や花などの名前を覚えるようになりますね。
正岡子規も明治二十二年に川越に宿を取り、句を残しています。
砧うつ隣に寒き旅寝かな
こちらは句碑も残っていますよ。
川越市大手町5、時の鐘や映画館「川越スカラ座」の割とすぐ近くです。
俳句は、5・7・5と言葉を並べるだけだし、季語をいれなければならないなどの少しのルールはあるけれど、簡単に始められるとっつきやすい趣味ですよね。
そんな軽い気持ちで私も作りはじめたのですが・・・。まあ、難しいこと。ぜんっぜん才能無し!って自分にダメ出しすることもしばしば。
でも結構長く作り続けているのは、やっぱり俳句作りは楽しいから。季節ごとの出会いを言葉にする。自然の事象に目を凝らし耳を澄まして街を歩く。句を仲間に披露してあれこれ言いあう。そういったことが日々の生活を彩ってくれるのです。
他の人が作った俳句を読んでいて「いいな」と思う句って、具体的・個人的な経験・事象をこれしかないという言葉で表現しているもの。一回切りしかないその人だけの体験でありながら、誰の胸にも響くものがあるというところが面白いなと思います。逆に多くの人に受けようとしたと思われる句は、ステレオタイプなつまらないものになりがち。私もよく失敗します。
ともかくも、秋は街歩き・吟行にいい季節です。川越を歩き句など吟じてみるのもなかなかおつなもの。
小説の舞台を歩く 川越スタンプラリー開催中!
以前ご紹介した川越を舞台としたほしおさなえさんの小説「活版印刷三日月堂」。じわじわと人気を増し、この夏発売された第4巻をもってついに完結したこのシリーズと、同じくほしおさなえさんの川越を舞台とした小説「菓子屋横町月光荘」に登場する場所を巡る川越スタンプラリーが、現在開催中です。スタンプを5つ以上集めると素敵な活版印刷のノベルティと交換できるそうですよ。
概要は以下のとおり。
【期間】 2018年8月1日(水)〜8月17日(金)
【参加費】 無料
【スタンプの設置場所】
①川越氷川神社(境内)9:00-17:00
②旭舎文庫(建物内)金〜日のみ 10:00-17:00 ※月〜木は氷川神社にてスタンプを押すことができます
③菓子屋横丁("浜ちゃん"店頭) 月曜休 11:00-16:00
④川越スカラ座(入り口付近) 火曜休 11:00-16:00
⑤時の鐘("福呂屋”店頭) 月曜休み 10:00-16:00
⑥松本醤油商店(店頭) 休みなし 9:00-18:00
⑦鴉山稲荷神社/烏山神社(社殿) 10:00-16:00
⑧大正浪漫夢通り("大正館"店頭) 休みなし 9:00-18:00
【ノベルティの引き換えについて】
・小江戸川越観光協会(川越市元町1-15-8) 10:00-16:00
・仲町観光案内所(川越市仲町2-3) 10:00-18:00
・川越市産業観光館 小江戸蔵里(川越市新富町1-10-1・事務室)10:00-18:00
(係りの人に台紙を見せてください。一人1枚・なくなり次第終了となります。)
【WEBページ】
下の写真はスタンプの置かれた場所のひとつ、旭舎文庫(あさひのやぶんこ)。
蔵造りの街並みで知られる一番街を抜けてまっすぐ北に進むと右側の角っこにあるこの建物。この角を曲がってまっすぐ東進すると氷川神社にたどり着きます。
今からおよそ150年前に建てられ、昭和初期から平成にかけては梅原駄菓子店として街の住民に親しまれていたというこの建物。氷川神社が3年かけて修復し、昨年の夏川越の郷土が学べる読書館兼川越の案内所としてオープンしました。
中に入ると、かつて子供たちが夢中になったであろうおもちゃが展示されています。
暑い中、スタンプラリーで歩き疲れたら、冷房の効いたこちらで一休み。川越の歴史や文化に1歩踏み込んで触れていただける場所ですよ。金・土・日(午前10時~午後5時)オープン。
マップと台紙が一緒になっているスタンプラリーのパンフレットもここで入手できます。スタンプはこんな感じ。
今回スタンプの置かれた8カ所は、距離的に割と近いので回りやすいと思います。そうはいってもこの暑さですから、炎天を避け、適度に休憩を取り、水分を十分に摂ってのんびり行きましょう。
三日月堂シリーズは地域住民も驚くほど丁寧に取材され、川越の魅力を伝えてくれています。余力があれば、今回のスタンプラリーに入っていない場所にも是非訪れてみて下さいね。
加えて、8月17日にはウェスタ川越にて、ほしおさなえさんご本人が活字書体設計師の今田欣一さん、装丁家の小泉弘さんと共に講演会を行います!本について、文字についてお話しされる予定です。最近は電子書籍もポピュラーになってきて、本や文字を巡る状況も変わってきましたね。この日は専門家の方の面白いお話が聞けそうですよ。
たとえメールやブログであっても、自分で文章を書いていると、どういうフォントを使おうか、この媒体で伝えたい人に伝えられるのかなど、色々思うことは多いもの。”伝える”ということについても考えるいい機会なのでは。
活版印刷のワークショップも同時開催されるので、”活字を拾う”体験ができるチャンスです。
【開催日時】
2018年8月17日(金)
◆ワークショップ 12:00-16:00
"活字をひろって、印刷機で印刷してみよう”
五十音の中から載せたい文字を選んで組み、コースターに印刷します。
"写真植字ってなあに?”(実演・解説)
写真植字(写植)とは、ガラス製の文字板に光をあて、専用の紙に文字を焼き付ける方法です。パソコンが普及するまでは印刷用の文字として使われていました。
◆講演
13:00-13:50 「活字書体をつくるひと」今田欣一氏
14:00-14:50 「本をつくるひと」小泉弘氏
15:00-15:50 「本を書くひと」ほしおさなえ氏
【会場】
【参加費】
無料