小江戸日記

小江戸川越の情報や話題、日々のつれづれを綴っていきます。

小江戸の正月風景~初詣スポット

あけましておめでとうございます。2018年、始まってますよ。

今日1月2日の川越の様子をご覧ください。

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初詣スポットをざっと回ってみました。

 

喜多院

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川越初詣の定番中の定番、喜多院。元旦はかなり混みますが、今日2日はそれほどの人出でもありません。明日3日は、新春恒例のだるま市があるのでやはり凄い人が訪れる予想。

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喜多院境内やその参詣道にはたくさんの出店が出ています。

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仙波東照宮

喜多院境内にある仙波東照宮は人もまばら。

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ちょっとした階段を上って、息を整えてお参り。静けさの中で祈ります。

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成田山別院川越

喜多院の隣の成田山別院川越は、結構な人出でした。参拝するにも長い行列。入り口の外にまで並んでいました。

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◎中院

喜多院から徒歩5分ほどに位置する中院は、その風雅な庭園や島崎藤村ゆかりの茶室などで知られていますが、初詣客はさほど多くはありませんでした。結構穴場かもしれません。

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桜の季節には、大きな枝垂れ桜をはじめとして次々に桜の木々が咲き誇り、見事な美しさを見せるこの庭園ですが、冬の枯れた感じもなかなか。

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◎川越熊野神社

昭和の街と大正浪漫夢通りに面する川越熊野神社

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川越熊野神社は「足踏み健康ロード」が人気。参拝者は結構な割合で、靴を脱いでこの道を歩いていました。

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これがなかなか痛いんですよねー。テレビなどで近年紹介されているのでちょっと人気があるみたいです。熊野神社は勝負事にもご利益があることで有名ですが、健康でなければ勝負には勝てません。神社で健康祈願だけでなく、体にいいことを少しやって自分に渇を入れましょう!

 

蓮馨寺

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昭和の街の中心的存在である蓮馨寺

いつも何かしら楽しげなことが執り行われているこの場所ですが、今日はかわいい猿が芸をしていました。

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そこそこの人出。毎月8日に開催される縁日「呑龍デー」の時の方が賑やかかもしれません。呑龍デーには、南京玉すだれ、辻講釈、フリーマーケットなどが境内で催されています。

 

◎川越氷川神社

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最後はお氷川様へ。駅からちょっと遠いにもかかわらずたくさんの人がいました。

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おみくじコーナーには若い女の子がたくさん。

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さすがは縁結びで有名な川越氷川神社です。

 

今日の初詣巡りは以上です。神様への挨拶回りもなかなかしんどいですね。

今年も昨年に引き続き、ここ川越は穏やかなお正月を迎えました。

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雲一つない晴れ渡った空。気持ちいい(写真は大正浪漫夢通り)。2018年が素晴らしい年になるといいですね。というか、いい年にしましょうね!

 

川越を舞台とした小説『活版印刷三日月堂』シリーズ

今日はこの年末年始の読書におすすめしたい、川越を舞台とした小説のご紹介。

今月初めに出版されたばかりの活版印刷日月堂 庭のアルバム』(著・ほしおさなえ)。川越の街の一角にある古びた印刷所「三日月堂」とそこの店主・月野弓子を中心に、ストーリーが展開される連作短編形式の小説です。

今作が3作目となるこの『活版印刷日月堂』シリーズ。1作目の『活版印刷日月堂 星たちの栞』、2作目の『~海からの手紙』そしてシリーズ最新作『~庭のアルバム』と3作を通して、ごくありふれた日常のなかで生まれる悩みや、気持ちを伝えることの難しさなどが丁寧に描かれています。私も読みながら「ああ、こういう葛藤や感情、身に覚えがあるな」と何度も思いました。登場人物の中に、誰もが自分に似た人を見つけることができると思います。

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活版印刷所で言葉を拾い、仕事依頼主の思いを具体的な形にする弓子。言葉というものに、そして伝達するということについて我々読者も考えずにはいられなくなります。他者に伝えるということの困難さ。それでも人は言葉を紡ぎ、詩を作り続け、書き残してきたのですね。

2作目に収録されている「海からの手紙」の登場人物の会話に出てきた「投壜通信」という言葉には、表現者の真剣さや切実さが感じられます。「詩は海に投げられた壜に入った手紙みたいなものだって。いつかどこかの岸に、ひょっとしたら心の岸に打ち寄せられるかもしれないという・・・」。たとえ今、ここで受け取り手のいない言葉であっても、どこか遠いところで、あるいは長い時を経て、誰かの心の深いところに届くかもしれない。そんな可能性に賭けて発せられる言葉たち。胸に響くものがあります。

それから、視覚以外の感覚、匂いや肌触り、温度、声などがストーリーの中にクローズアップされているのもこの物語の特徴的なところ。「インスタ映え」するような視覚優位のメディアが大多数の人に訴えかける力がある一方、人と人とがある程度距離を縮めなければ感じることのできない感覚、ぬくもりや空気の震えを共有するような近い距離におけるコミュニケーションには、そこでしか得られない充実感というものがありますよね。そんなことを物語がさりげなく教えてくれます。

口に出すことの少ない思いを掬い取り、寄り添ってくれるようなストーリーは読後、少し人を信頼したくなるような素直で温かい気持ちにさせてくれますよ。

 

◆舞台は小江戸・川越!

さて、このシリーズには、川越に実在する場所や建物がたくさん登場します。観光スポットとしてポピュラーな「時の鐘」や「蔵造り一番街」「大正浪漫夢通り」などと共に、観光客の方にはあまり知られていない場所も結構登場します。

下の写真は、鴉山稲荷神社。活版印刷所三日月堂が位置するとされるのが、ここ鴉山稲荷神社のはす向かいです。

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文中に記述のある通り、仲町交差点を左折してすぐの路地にある醤油店のすぐ先の道を左に曲がるとあります。小さな神社ですが室町時代からあるという古い神社で、気持ちいい空気が漂っています。

小説に出てくる川越の場所や川越まつりなどの行事に関する記述はかなり具体的です(店の名前などは変えてあります)。川越水上公園が出てくる「あわゆきのあと」(2作目の『活版印刷日月堂 海からの手紙』に収録)では、語り手の広太が公園にある多彩なプールを紹介したあと、「しかも県立だから値段も安い。」なんて説明もしてくれて、ちょっと笑ってしまいました。『活版印刷日月堂』は川越のガイド本としても楽しめるのです。小説の舞台をめぐる小さな旅もいいですね。

 

今、『活版印刷日月堂』シリーズ最新刊は、川越の書店でも目立つところにレイアウトされています。

f:id:mkoedo:20171212204100j:plain川越駅改札の中にある小さな書店。

 

f:id:mkoedo:20171212204316j:plain川越駅前ファッションビル「アトレ」6階にある「くまざわ書店」でも目立つところに並んでいました。

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それから川越駅前から本川越方面に続くショッピングストリート"クレアモール"にある「紀伊国屋書店」ではワゴン積みに。

自然体で気取りのない文体で、真摯に毎日を生きている人々を描いたこの小説は、とても川越の街に似合っているような気がします。

映画『猫が教えてくれたこと』

猫の街イスタンブールに暮らす猫と人間の暮らしを切り取ったドキュメンタリー映画『猫が教えてくれたこと』が川越スカラ座でも公開中。猫ブームと言われる今、流行に乗っかって鑑賞してきました。猫はやっぱり面白い生き物ですね。

沢山の野良猫たちが暮らすイスタンブールの街。その中でも、この映画の主役は7匹の個性的な猫たちです。美食家、サイコパス、社交家、鼠ハンター・・・。猫の世界も多彩な顔触れがそろっています。人間たちと上手く共存しながら、自分の居場所を作っている猫たち。自由な野良猫生活は、自由故の厳しさもあるのだろうけど、この街の猫たちはみな何となく幸せそうです。そして猫について語る街の人たちの表情も皆生き生きとしていて楽しそう。

本当にしぐさも鳴き声もルックスも、ずっと見ていたくなるほど愛らしい猫たち。マッチョな感じのトルコ人男性がメロメロになるのも頷けます。そうかと思えば、突如フーッと毛を逆立てて怒りを露わにすることもあったり。決して飼いならされることのない凶暴さをその身に潜ませていて、時折ハッとさせられます。

猫が教えてくれたこと

この映画では、地上10センチの猫目線から採られた映像が随所に挿入されていて、観客も猫目線で街を眺めることができます。当然のことながら人間の視界に映るのとはまた違った風景が見えてきて、興味深い。我が街の猫たちには、どんな風に世の中は見えているのかな、なんて考えたりして。

また、上空から撮影されたイスタンブールの街並みもいい。海辺の街独特の開放的な空気感とか、路地の人々の陽気なざわめきとか。イスタンブールというと、壮大なモスクと、イスラム教とキリスト教がぶつかり合い交じり合う世界史的に重要な場所という事実から、ちょっと仰々しいイメージがあったけど、それだけじゃない。どこか人懐っこい場所でもあるのですね。

愛すべき猫たちと、イスタンブールの街の魅力を楽しめる映画です。川越スカラ座で12月15日(金)まで。

 

allabout.co.jp

 

紅葉見頃の川越、日曜日は小江戸ハーフマラソン

晩秋の川越、木々の葉も色づいています。

川越の紅葉スポットと言えば、喜多院、そして中院ですかね。

今日、11月23日の紅葉の色づき具合をご報告しますね。

まずは喜多院

境内の木々はだいぶ紅葉が進んでいます。すでにだいぶ葉を落とした木もありました。

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有料ですが拝観料(大人400円、小中学生200円)を支払うと、江戸城紅葉山(もみじやま)を模して造られた「紅葉山庭園」を、渡り廊下や客殿から鑑賞できます。その名の通り紅葉の時期はことのほか見事な眺めです。

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拝観時間に注意。冬季(11月24日~2月末日)は平日8:50~16:00、日祝8:50~16:20です。

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気持ちよく晴れた今日の喜多院、いい雰囲気です。12月上旬まで紅葉を楽しむことができますが、今週末~来週にかけてが見頃ではないかな。

さて次は喜多院から徒歩5分のところに位置する中院

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こちらの紅葉はまさに今が見頃。

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紅葉狩りを楽しむなら晴天の日に限りますね。澄んだ青空と色づいた葉のコントラスト、高性能っぽいカメラで撮影している人をたくさん見かけました。

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カラスがどこかで鳴いているのが聴こえてきたりして、お寺で過ごす秋の夕暮れもいいですね。

私の結論としては、喜多院・中院で紅葉を楽しむなら今週末がお奨め!ま、お天気次第ではありますが。

そうそう、11月26日の日曜日は小江戸ハーフマラソンが開催されます。「時代(とき)を駆け抜けろ!」をキャッチコピーに、ランナーも応援する人も大会ボランティアも皆が参加してそれぞれが力を出し切って作り上げる川越恒例の大イベント。ランナーとして申し込んでいない人も是非応援に来て下さい。応援て楽しいんですよ。しかも元気になるんですよ。

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午前中いっぱいくらいで大会は終了する予定なので、『小江戸マラソンでランナーを応援した後紅葉狩りして帰宅する』というのも充実した休日の過ごし方だと思います。

コエドビール祭り 2017近づく‼!(9月18日(月・祝))

台風も近づく週末。肌寒いほどの気候ですが、今回はコエドビール祭り2017のご案内をしたいと思います。これは、川越が世界に誇る地ビール"COEDOビール"を飲みつつ、美味しいものや音楽を楽しもうという素敵な催し。

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アーティストの演奏やコエドオリジナルダンスなど、祭りらしく賑やかなイベントが用意されています。フードブースには11店舗が出店。チーズ・鉄板焼き・ソーセージ・フィッシュ&チップスなどなど、ビールに合う御馳走が揃います。ビールと美味しいものと音楽。最高ですね。

凄く楽しみにしているのがコエドビール祭り2017限定ビール。なんでも、手摘みの狭山茶”やぶきた種”を使用したビールだというのですが、お茶のビールって?是非トライしてみたいものです。

概要は以下のような感じ。

◆日時:2017年9月18日(月・祝)12時~18時
◆場所:ウェスタ川越 (JR川越線東武東上線川越駅」西口より徒歩5分/西武新宿線「本川越駅」より徒歩15分)
 

この夏、いまいち遊び足りなかったなという人、ビールを飲み足りなかったなという人、コエドビール祭りで盛り上がりましょう。

今日の天気予報では9月18日は最高気温30度を超えるようです。台風一過の真夏日、川越の街で夏の名残を味わってみてはいかがでしょうか。

縁結び風鈴と恋あかり、川越お氷川様にて

そういえば、今日は七夕でしたね。皆さんは星にどんな願いごとをしましたか?願いを叶えるには日々の努力や心がけももちろん大事ですが、時には人智を超えた存在に頼りたくもなりますよね。

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さて、もう恒例になりましたね、川越氷川神社縁結び風鈴、7月1日から今年も始まっています(9月10日(日)まで)。この時期、お氷川様の敷地内にたくさん吊るされ、風を受けて涼しい音を奏でている江戸風鈴。「縁結び風鈴」は、これらの風鈴に願いを込めた短冊を掛けて、神様に願いを届けてもらおうという、粋でゆかしい祭事なのです(初穂料:500円)。期間中、縁結び風鈴臨時バス(土日祝のみ)も運行されます。

さらに7月22日(土)からは恋あかり」特別良縁祈願祭も同じく川越氷川神社でスタートします。これは、期間中毎夕良縁を願って御祈願を執り行うというもので、御祈願後、「恋あかりのぼんぼり」と飴が授与されるそうです。以下は詳細。

「恋あかり」特別良縁祈願祭

期間:7月22日(土)~8月27日(日)

斎行時刻:毎日 18時30分~
※事前予約不要。祈願祭の時間は多少前後する場合があります。
※日によって時刻が変更になる場合があります。
祈願初穂料:一人 1,500円
授与品:恋あかりのぼんぼり・飴
※祈願授与品としてだけではなく、毎日17時より社務所で頒布もされます。(初穂料ひとつ1,500円)

良縁、誰もが望むものですね。「縁」とは不思議なものだとつくづく思います。苦しみも喜びも、もたらしてくれるものは縁。恋愛だけではなく、家族や友人、学校、会社、土地などなど。すべて縁によって結ばれたり離れたり。自分の努力だけでもどうにもならないのも縁。こういった機会を捉まえて神仏に祈りを捧げ、良いご縁をお願いしてみるのもよろしいかと思います。

 

生誕130年 小村雪岱(こむらせったい)の世界

日本橋に用事があって少し時間があったので三越をブラブラ。なんでも日本画家・小村雪岱の展示があるようなので、寄ってみることにしました。

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というのも、小村雪岱は川越の出身。明治20年(1887年)に生まれ大正から昭和初期に活躍した人物なのです。実のところ今まで作品をじかに見たことがなかったので、この機会に見てみようかと本館6階のアートギャラリーへ。

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今回の三越の展示は小さなスペースで、展示数もそう多くはなく、主として販売目的だったのですが、それでも雪岱作品の実物を見ることができて満足(この日本橋三越本館アートギャラリーでの展示は2017年7月5日〜11日まで(最終日は17時閉場))。あ、もちろん無料です。

今年生誕130年を迎える小村雪岱。来年1月からは川越市立美術館でも特別展(2018年1月20日〜3月11日)が企画されています。もっと広く知られていい人物だと思うので、少し紹介させて下さい。

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小村雪岱は、泉鏡花作品の装幀・挿絵の仕事から一躍有名になり、その後は映画や舞台装置の美術まで幅広く活躍しました。溝口健二監督の映画美術も担当していたそう。泉鏡花溝口健二も、どこか妖気漂う独特の美を生み出していますが、雪岱の創造する世界と親和性があるのでしょうね。

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ちょっと面白いところでは、雪岱は「資生堂書体」を生み出したデザイナーでもありました。文字のデザインが与える印象ってすごく大きいですよね。上の写真は昨年催された『小村雪岱資生堂書体』展のポスター。

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雪岱の描く女性は懐かしさとともに、べたつかないキリッとした色気を感じます。縞の着物、そう、川越唐桟などを粋に着こなしているような。同時代に活躍した竹久夢二の描く抒情的な女性像と好対照をなしているのではないでしょうか。

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江戸情緒とモダンな感覚が絶妙に合わさった雪岱の世界、いいでしょう?生誕130年のこの機に注目され、今後多くのファンを獲得していく予感がします。