映画『猫が教えてくれたこと』
猫の街イスタンブールに暮らす猫と人間の暮らしを切り取ったドキュメンタリー映画『猫が教えてくれたこと』が川越スカラ座でも公開中。猫ブームと言われる今、流行に乗っかって鑑賞してきました。猫はやっぱり面白い生き物ですね。
沢山の野良猫たちが暮らすイスタンブールの街。その中でも、この映画の主役は7匹の個性的な猫たちです。美食家、サイコパス、社交家、鼠ハンター・・・。猫の世界も多彩な顔触れがそろっています。人間たちと上手く共存しながら、自分の居場所を作っている猫たち。自由な野良猫生活は、自由故の厳しさもあるのだろうけど、この街の猫たちはみな何となく幸せそうです。そして猫について語る街の人たちの表情も皆生き生きとしていて楽しそう。
本当にしぐさも鳴き声もルックスも、ずっと見ていたくなるほど愛らしい猫たち。マッチョな感じのトルコ人男性がメロメロになるのも頷けます。そうかと思えば、突如フーッと毛を逆立てて怒りを露わにすることもあったり。決して飼いならされることのない凶暴さをその身に潜ませていて、時折ハッとさせられます。
この映画では、地上10センチの猫目線から採られた映像が随所に挿入されていて、観客も猫目線で街を眺めることができます。当然のことながら人間の視界に映るのとはまた違った風景が見えてきて、興味深い。我が街の猫たちには、どんな風に世の中は見えているのかな、なんて考えたりして。
また、上空から撮影されたイスタンブールの街並みもいい。海辺の街独特の開放的な空気感とか、路地の人々の陽気なざわめきとか。イスタンブールというと、壮大なモスクと、イスラム教とキリスト教がぶつかり合い交じり合う世界史的に重要な場所という事実から、ちょっと仰々しいイメージがあったけど、それだけじゃない。どこか人懐っこい場所でもあるのですね。
愛すべき猫たちと、イスタンブールの街の魅力を楽しめる映画です。川越スカラ座で12月15日(金)まで。
紅葉見頃の川越、日曜日は小江戸ハーフマラソン
晩秋の川越、木々の葉も色づいています。
川越の紅葉スポットと言えば、喜多院、そして中院ですかね。
今日、11月23日の紅葉の色づき具合をご報告しますね。
まずは喜多院。
境内の木々はだいぶ紅葉が進んでいます。すでにだいぶ葉を落とした木もありました。
有料ですが拝観料(大人400円、小中学生200円)を支払うと、江戸城紅葉山(もみじやま)を模して造られた「紅葉山庭園」を、渡り廊下や客殿から鑑賞できます。その名の通り紅葉の時期はことのほか見事な眺めです。
拝観時間に注意。冬季(11月24日~2月末日)は平日8:50~16:00、日祝8:50~16:20です。
気持ちよく晴れた今日の喜多院、いい雰囲気です。12月上旬まで紅葉を楽しむことができますが、今週末~来週にかけてが見頃ではないかな。
こちらの紅葉はまさに今が見頃。
紅葉狩りを楽しむなら晴天の日に限りますね。澄んだ青空と色づいた葉のコントラスト、高性能っぽいカメラで撮影している人をたくさん見かけました。
カラスがどこかで鳴いているのが聴こえてきたりして、お寺で過ごす秋の夕暮れもいいですね。
私の結論としては、喜多院・中院で紅葉を楽しむなら今週末がお奨め!ま、お天気次第ではありますが。
そうそう、11月26日の日曜日は小江戸ハーフマラソンが開催されます。「時代(とき)を駆け抜けろ!」をキャッチコピーに、ランナーも応援する人も大会ボランティアも皆が参加してそれぞれが力を出し切って作り上げる川越恒例の大イベント。ランナーとして申し込んでいない人も是非応援に来て下さい。応援て楽しいんですよ。しかも元気になるんですよ。
午前中いっぱいくらいで大会は終了する予定なので、『小江戸マラソンでランナーを応援した後紅葉狩りして帰宅する』というのも充実した休日の過ごし方だと思います。
コエドビール祭り 2017近づく‼!(9月18日(月・祝))
台風も近づく週末。肌寒いほどの気候ですが、今回はコエドビール祭り2017のご案内をしたいと思います。これは、川越が世界に誇る地ビール"COEDOビール"を飲みつつ、美味しいものや音楽を楽しもうという素敵な催し。
アーティストの演奏やコエドオリジナルダンスなど、祭りらしく賑やかなイベントが用意されています。フードブースには11店舗が出店。チーズ・鉄板焼き・ソーセージ・フィッシュ&チップスなどなど、ビールに合う御馳走が揃います。ビールと美味しいものと音楽。最高ですね。
凄く楽しみにしているのがコエドビール祭り2017限定ビール。なんでも、手摘みの狭山茶”やぶきた種”を使用したビールだというのですが、お茶のビールって?是非トライしてみたいものです。
概要は以下のような感じ。
この夏、いまいち遊び足りなかったなという人、ビールを飲み足りなかったなという人、コエドビール祭りで盛り上がりましょう。
今日の天気予報では9月18日は最高気温30度を超えるようです。台風一過の真夏日、川越の街で夏の名残を味わってみてはいかがでしょうか。
縁結び風鈴と恋あかり、川越お氷川様にて
そういえば、今日は七夕でしたね。皆さんは星にどんな願いごとをしましたか?願いを叶えるには日々の努力や心がけももちろん大事ですが、時には人智を超えた存在に頼りたくもなりますよね。
さて、もう恒例になりましたね、川越氷川神社の「縁結び風鈴」、7月1日から今年も始まっています(9月10日(日)まで)。この時期、お氷川様の敷地内にたくさん吊るされ、風を受けて涼しい音を奏でている江戸風鈴。「縁結び風鈴」は、これらの風鈴に願いを込めた短冊を掛けて、神様に願いを届けてもらおうという、粋でゆかしい祭事なのです(初穂料:500円)。期間中、縁結び風鈴臨時バス(土日祝のみ)も運行されます。
さらに7月22日(土)からは「恋あかり」特別良縁祈願祭も同じく川越氷川神社でスタートします。これは、期間中毎夕良縁を願って御祈願を執り行うというもので、御祈願後、「恋あかりのぼんぼり」と飴が授与されるそうです。以下は詳細。
「恋あかり」特別良縁祈願祭
期間:7月22日(土)~8月27日(日)
斎行時刻:毎日 18時30分~
※事前予約不要。祈願祭の時間は多少前後する場合があります。
※日によって時刻が変更になる場合があります。
祈願初穂料:一人 1,500円
授与品:恋あかりのぼんぼり・飴
※祈願授与品としてだけではなく、毎日17時より社務所で頒布もされます。(初穂料ひとつ1,500円)
良縁、誰もが望むものですね。「縁」とは不思議なものだとつくづく思います。苦しみも喜びも、もたらしてくれるものは縁。恋愛だけではなく、家族や友人、学校、会社、土地などなど。すべて縁によって結ばれたり離れたり。自分の努力だけでもどうにもならないのも縁。こういった機会を捉まえて神仏に祈りを捧げ、良いご縁をお願いしてみるのもよろしいかと思います。
生誕130年 小村雪岱(こむらせったい)の世界
日本橋に用事があって少し時間があったので三越をブラブラ。なんでも日本画家・小村雪岱の展示があるようなので、寄ってみることにしました。
というのも、小村雪岱は川越の出身。明治20年(1887年)に生まれ大正から昭和初期に活躍した人物なのです。実のところ今まで作品をじかに見たことがなかったので、この機会に見てみようかと本館6階のアートギャラリーへ。
今回の三越の展示は小さなスペースで、展示数もそう多くはなく、主として販売目的だったのですが、それでも雪岱作品の実物を見ることができて満足(この日本橋三越本館アートギャラリーでの展示は2017年7月5日〜11日まで(最終日は17時閉場))。あ、もちろん無料です。
今年生誕130年を迎える小村雪岱。来年1月からは川越市立美術館でも特別展(2018年1月20日〜3月11日)が企画されています。もっと広く知られていい人物だと思うので、少し紹介させて下さい。
小村雪岱は、泉鏡花作品の装幀・挿絵の仕事から一躍有名になり、その後は映画や舞台装置の美術まで幅広く活躍しました。溝口健二監督の映画美術も担当していたそう。泉鏡花も溝口健二も、どこか妖気漂う独特の美を生み出していますが、雪岱の創造する世界と親和性があるのでしょうね。
ちょっと面白いところでは、雪岱は「資生堂書体」を生み出したデザイナーでもありました。文字のデザインが与える印象ってすごく大きいですよね。上の写真は昨年催された『小村雪岱と資生堂書体』展のポスター。
雪岱の描く女性は懐かしさとともに、べたつかないキリッとした色気を感じます。縞の着物、そう、川越唐桟などを粋に着こなしているような。同時代に活躍した竹久夢二の描く抒情的な女性像と好対照をなしているのではないでしょうか。
江戸情緒とモダンな感覚が絶妙に合わさった雪岱の世界、いいでしょう?生誕130年のこの機に注目され、今後多くのファンを獲得していく予感がします。
2017 川越古代蓮情報
7月が始まりました。そして、今年も古代蓮の季節がやってきましたね。
◆伊佐沼
川越で古代蓮といったら、伊佐沼です。今日7月2日午前中の伊佐沼はこんな感じ。
結構咲いています。まあ、見ごろと言っていいんじゃないでしょうか。
低めの位置から撮ってみました。蓮はやっぱり横顔が綺麗。
這い上がろうとしている亀も発見。
伊佐沼までのアクセス:JR埼京線・東武東上線「川越駅」からバス「川越グリーンパーク行」に乗り「伊佐沼冒険の森」下車
水辺にさえぎるもののない空。この辺りは開放感が感じられる空間です。沼の向かいの伊佐沼公園には朝から小さな子供を連れた家族がたくさん。
アスレチックで遊んだり、小さな池で水遊びをしたり。公園内の木にハンモックを設置している人もいたっけ。日よけ用の小さな簡易テントを張ってるファミリーもかなりいました。
毎年安比奈親水公園と伊佐沼とで交互に開催されている小江戸川越花火大会ですが、今年第27回目はここ伊佐沼で8月26日(土)に開催されます。
◆小畔水鳥の郷公園(こあぜみずのとりのさとこうえん)
川越で古代蓮の名所は伊佐沼だけではございません。川越市の西に位置する小畔水鳥の郷公園も古代蓮で知られ、今朝もたくさんの人が訪れ、花に向けてカメラを構えていました。
小畔水鳥の郷公園は駅で言ったら東武東上線霞ヶ関駅または鶴ヶ島駅が最寄り駅。双方の駅から徒歩25分ほどの距離に位置します。
名前の通り、ここは水鳥の休息地・営巣地となっており、この公園ではバードウオッチングを楽しむ方の姿も見られます。
下の写真は6月30日金曜日の夕方に撮った写真。蓮というのは午前中のみ花を開くのかと思っていましたら、夕方6時過ぎてもかなり咲いていたので少しびっくり。
今が盛りと咲いています。
この辺りも伊佐沼同様、春は桜が大変美しく緑豊かな場所です。
季節ごとに花を追いかけ、いろんな場所に出かけていくのも楽しいものです。こうして花にうつつを抜かしながら、むしむしと暑い夏をなんとか乗り切っていきたいなぁ。
川越『きものの日』と着物文化・絹文化
今日は28日、川越は『きものの日』です。毎月8の付く日、つまり8日,18日,28日は川越『きものの日』、小江戸の街に着物姿の方がたくさん集います。
最近、川越の街中では川越唐桟をお召しになった川越出身の俳優・市村正親さんのポスターを頻繁に見かけます。やはり役者さん、カジュアルな装いでありながら風格ある着こなしですよね〜。男性の着物姿も以前よりずっと多く目にするようになりました。
●絹文化/着物文化
夏草に這上がりたる捨蚕(すてご)かな
病気や発育不良のため川や野原に捨てられた蚕が、その身体の奥に淀んでいた生命力を引っ張り出して、夏草茂る川辺に這い上がってきた、そんな光景を読んだ句でしょうか。
それにしても捨蚕なんて風習があったこと、この句を読むまでしりませんでしたよ。捨蚕・上簇(じょうぞく)・夏蚕(なつご)…。俳句歳時記に載っているこれら養蚕関連の語。かつて北関東では養蚕農家が数多く存在し、これらの季語が伝えんとする風景や情感が身近にリアルに感じとれた時代があったのですね。
群馬県にある富岡製糸場が世界遺産に登録されたのは、2014年春のことでした。外国人観光客が増えるにつれ、日本文化を見直す動きも国内で活性化し、それにともなって衰退の一途を辿っていた絹文化・着物文化が見直される機運が今、徐々に盛り上がってきています。
川越は『かわとう』の呼び名で知られる綿織物・川越唐桟が有名ですが、かつては養蚕業も盛んな地域であり、また織物の集散地としても栄えました。
2013年の2月には、秩父神社・高麗神社と川越氷川神社の宮司さんを中心とする「さいたま絹文化研究会」が発足しています。
下の写真は、2014年3月川越氷川会館で行われたその発足記念講演のときのもの。
養蚕が大陸から伝わったのは2千年以上前とも言われています。その後、養蚕技術・製糸技術の改良などが重ねられ、日本の絹は大変上質なものとなりました。 かつては世界一の生糸輸出国であり、絹産業は日本の近代化に大きく寄与してきました。
蚕の繭から糸が紡ぎ出され、絹糸を布に織り上げ、一つの着物に完成させるのにどれほどの手間と時間が必要か。
着物に込められた壮大なストーリーと莫大なエネルギーに思いを馳せると着物のお洒落もより興味深くなりますよね。